ソフロロジー式分娩のメリット、それは多岐にわたりますが、その多くがお母さんのポジティブシンキングに由来しているといえるでしょう。ソフロロジー式分娩法ではイメージトレーニングを繰り返すことによって、毎日意識的に赤ちゃんを思う時間を作り出します。それは母性を育てる時間でもあり、ゆったりとした心地よさの中で、出産を待ち望む気持ちが芽生えてきます。
出産に際しては陣痛も赤ちゃんと出会うために必要なエネルギーとして受け入れるので恐怖や不安もなく、したがって感じる痛みもソフロロジーを学ばずに出産するお母さんと比べると、格段に少なくなります。また、体がリラックスして余計な力が入らず筋肉が十分に柔らかくなっています。
そのため母体も傷つかず体力の消耗も少ないので産後の回復が早く、育児へスムースに移行することができます。体への負担が少ないことで心の余裕が生まれ赤ちゃんにあふれる愛情が注げるのも、ソフロロジー式分娩のメリットといえるでしょう。
また、ソフロロジー式分娩法ではゆっくりと息を吐いていくことが中心の呼吸法を用います。息を止めていきむことをせず赤ちゃんへ酸素が十分に供給されるため、生まれてきたばかりの赤ちゃんは文字通りピンク色、元気いっぱいです。幸せなお母さんと元気いっぱいの赤ちゃん、それこそが出産にいたる長い日々をともにがんばってきたお互いへの一番の贈り物です。ソフロロジー式分娩法はそれを可能にする出産方法です。
出産においてお父さんとお母さんが最も望むこと、それは赤ちゃんが元気に生まれてくることでしょう。ソフロロジー式分娩法においても同様です。そして同時にお母さんもまた出産を経て健康であること、それもまた同じくらいに大切なことであると考えられています。
ソフロロジー式分娩法では、ゆっくりと長く息を吐き、吐ききったら自然に息を吸う、という呼吸法を用います。この呼吸を行うと酸素が赤ちゃんに十分に届きます。また、息の吸いすぎによる過呼吸も起こりにくくなります。さらに出産の時リラックスできるようにトレーニングを積んでいるので、お母さんの体は緊張から解き放たれています。そのため赤ちゃんは子宮や産道から余計な圧迫を受けることはありません。
また、ソフロロジー式分娩法では、妊娠期間に繰り返しイメージトレーニングを行うことで母性が育まれていくので、お腹の中で赤ちゃんはお母さんの愛情を感じながら大きくなります。お腹の中の赤ちゃんにとっては、酸素や栄養分と同じように愛情もまた大切な成長する力なのです。そして安心して生まれてくる日を待っています。
ソフロロジー式分娩法では、お母さんとともにお腹の中の赤ちゃんも妊娠期および出産において常にリラックスした心地よい状態にあることを目指します。人の体と心は密接につながっていることは実生活において誰もが容易に感じることです。心と体、文字通り一体化しているお母さんとお腹の赤ちゃんの元気をソフロロジー式分娩は追及しています。
ソフロロジー式分娩法によるお産では、陣痛は無痛ではありません。ソフロロジー式分娩では、陣痛を赤ちゃんを迎えるための大切なステップ、痛みをそのためのエネルギーとして捉え、あるがままに受け入れていきます。ソフロロジー式分娩法における、「あるがままの痛み」とは何でしょう?
痛みに対する恐怖や不安を持っていると、それが大きいほどに痛みが増大することは、私達も経験上知っています。ソフロロジー式分娩法では、イメージトレーニングを取り入れ、赤ちゃんとの出会いや幸せな生活のイメージを繰り返し自分の中に描きます。赤ちゃんに会うための陣痛は恐れも不安もなく、それを乗り越えたところに大きな喜びが待っています。
また、イメージトレーニングに用いる専用のCDには出産時の陣痛のイメージが入っていて、たとえ初産であっても何度も出産を経験しているかのような自信が持てるのもソフロロジー式分娩法の特徴のひとつといえます。不安や恐れのない陣痛とは決して耐え難いものではなく、イメージトレーニングを重ねてきたお母さんには、赤ちゃんを今迎えつつある喜びとともに受け入れられていくのです。
そのほかにも、出産時に体が自然にリラックスできるようになっているので、筋肉は柔らかくなっていて生むための余計な力も入りません。そのような状況では痛み自体が実際に少なくなっています。ソフロロジー式分娩法が超痛分娩とも呼ばれるゆえんは、無痛ではないけれども痛みを苦痛として捉えていないところにあるといえるでしょう。
ソフロロジー式分娩において会陰裂傷の割合は少なくなります。体がリラックスして筋肉が柔らかくなり会陰が開きやすくなっているためです。そもそも会陰裂傷とはなぜ起こるのでしょう。
分娩の際に膣と会陰部が限界まで伸びてしまい、会陰部が切れてしまうことを会陰裂傷といいます。膣および会陰部が硬く伸展性が不十分であったり、赤ちゃんの頭が大きいことや、激しいいきみなどで赤ちゃんが急激に産道を通過したりすることが原因となります。会陰裂傷の危険性がある場合、あらかじめ会陰を切除することで重症となることを防ぎます。
この原因はソフロロジー式分娩法によって解決される可能性があります。膣および会陰部の伸展性に関しては、お母さんの体がリラックスしていれば余計な力が入らずに十分に伸びることができます。落ち着いて出産に臨み、ゆっくりとした呼吸法を行うので、赤ちゃんは産道を徐々に降下してきます。それは赤ちゃんにもお母さんにも負担をかけないことにつながります。赤ちゃんの頭が大きいことも、以上の2点でカバーできることが多々あります。
会陰裂傷や予防の切除も出産後にもちろん縫合されるのですが、傷を持った育児のスタートと傷を持たないのとでは大きな違いがあります。育児のスタートは慣れていないだけではなく授乳やオムツ替えでとてもハードです。そこに痛みを伴うか伴わないかで、赤ちゃんに対するお母さんの気持ちや母親としての自信も大きく変わってしまうこともあります。痛みを伴わない育児のスタート、これもまたソフロロジー式分娩における大きなメリットです。
ソフロロジー式分娩法では、出産をお母さんと赤ちゃんの共同作業と考えます。出産とは極めて自然なことであり、それは病気ではありません。ソフロロジー式分娩は病院や医師が中心となってお母さんは患者としての立場に立つお産はではなく、あくまでお母さんと赤ちゃんが主役となり、お母さんが自分で全般をコントロールする出産を目指します。
妊娠の過程でもイメージトレーニングやエクセサイズをお母さんが自らの意思により行うことで母性を育て、リラックスした精神状態を自分のものにしていきます。もちろん麻酔なども使用しませんし、原則として自然分娩です。ソフロロジー式分娩法のこのような考え方を自律分娩と呼びます。
自律分娩において医師や助産婦の果たす役割とは、緊急の時に備えて待機しつつ見守ることのみです。イメージトレーニングを重ねることで、お母さんはいつ、どのようにしたら良いかをすでに知っています。お母さんは赤ちゃんと一緒に出産を乗り越えていきます。出産を無事終えたお母さんの達成感は、その後の人生においても大きな自信につながっていくはずです。
待機して見守る医師や助産婦は、しかし、お母さんにとってとても大きな存在です。出産は一人一人違うものです。ソフロロジーの習得の度合いもみな同じという訳ではないでしょう。また、さまざまな要因で途中から帝王切開などの医療の介入が必要となる場合もあります。適切なときに手を差し伸べてくれる心強い味方ですから、病院選びは慎重に行いたいものです。
